日本児童文学学会
Japan Society for Children's Literature

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中部例会

第106回 日本児童文学学会 中部例会(3月例会)ご案内

第106回 日本児童文学学会中部例会を下記の通り開催いたします。お忙しいことと存じますが、ぜひご参加いただきますようご案内を申し上げます。当日は13時より、2024年度日本児童文学学会中部支部総会を行います。会員の方はご参加ください。(一般の方:資料代500円)

開催概要

日時:2025 年3 月8 日(土) 13:00~16:00 終了予定
場所:至学館大学附属図書館1階スタディールーム
〒474-8651 愛知県大府市横根町名高山55 Tel 0562-46-1291(代)
至学館大学への行き方は大学HPのアクセスマップをご参照ください
基本的には公共交通機関でお越しください。なお、駐車場のご利用に関しては、2月20日以降に配信するメールでご確認ください。

参加方法

タイムテーブル

研究発表1(発表30分、質疑応答10分)

「ぬりえがつなぐ記憶と文化 -子ども期の文化財としての役割とその意義に関する考察- 」

浜崎由紀 氏(大谷大学教育学部教育学科幼児教育コース 准教授)

ぬりえは、輪郭線で描かれた図柄にクレヨンや色鉛筆などの画材で彩色する紙製の玩具であるとされている。美術教育の観点から「創造性を育みにくい」「絵が描けなくなる」などの批判もあるが、子どもにとっては彩色そのものが自己表現であり、楽しい遊びの一つである。
近年、大人向けのぬりえも盛況を見せている。2005年に河出書房から『大人の塗り絵 美しい花編』が出版されて以降、広く認知されるようになり、現在では「ベルサイユのばら」や「ディズニー」など、世代ごとの思い入れのあるキャラクターを題材としたぬりえも人気を集めている。また、リラクゼーションや認知症予防の目的で活用されるぬりえもあり、脳科学の視点からその効用が明らかになりつつある。
このように、ぬりえは世代や目的の枠を超えて広がりを見せ、文化的価値を持つ存在へと発展している。では、なぜぬりえは多くの人々を魅了するのか。本研究では、ぬりえの彩色行為が自己表現や創造性を育む手段であることに加え、特定のキャラクターやテーマを通じて記憶を刺激し、子ども時代の情景や感覚を呼び覚ます効果を持つ点に注目する。そして、ぬりえが単なる個人的な趣味や遊びにとどまらず、世代間や文化の記憶をつなぐメディアとして機能しているという視点から、子ども期の文化財としての役割とその意義について考察する。

研究発表2 (発表30分、質疑応答10分)

「幼小接続における言語活動の動向 ―児童文化財に着目してー 」

中西由香里 氏(愛知淑徳大学非常勤講師)

中央教育審議会は、2023年に「幼保小の架け橋プログラムの実施に向けての手引き及び参考資料(初版)」を公表した。同年、こども家庭庁が新たに設置されるなど、すべての子どもが格差なく質の高い教育を受けられるように、幼児期及び幼保小接続期の「教育の質」保障が強調されるようになった。それと共に第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」により、言語活動や言語環境の重要性も指摘されている。
こうした社会の変化の中で、小学校教育との円滑な接続を図るために接続期を「架け橋期」と称して、幼小接続が推進されている。子ども施策の議論がはじまっている今、改めて幼小接続での言語活動の現状を整理する必要がある。
そこで、本研究では2019年度までの国内を対象とした先行研究(中西,2022)を踏まえ、2020年度以降の4年間を対象に、幼小接続での言語活動に関わる児童文化財に着目して動向を整理した。なお、児童文化財については、玩具、絵本、雑誌、図書、口演童話、紙芝居、児童図書館等、多岐にわたっているため幼小接続に関わるものを対象に検討した。

実践報告(発表30分、質疑応答10分)

「稲沢市立中央図書館読み聞かせボランティアきらら会40年の歩み ― 活動と歴史」

田中真由美 氏(稲沢市立大里東小学校学校司書/愛知大学非常勤講師)

稲沢市立中央図書館読み聞かせボランティアきらら会は、1984年(昭和59年)に発足した。2024年に40周年を迎えた。2024年度の会員は36名である。きらら会は「おはなし会に集まる子ども達の目がきらきらと輝き、心豊かになりますように」と名付けられた。中央図書館では、おはなし会での読み聞かせや年3回のおたのしみ会などの活動を行っている。また、地域での活動として、保育園や小学校・児童館などでの読み聞かせをしている。その他、2つの人形劇グループや影絵グループなどの出張上演を行ったり、愛知県学校図書館大会でのワークショップでは読み聞かせについての講座の講師を担当したりしており、読み聞かせに留まらない多彩な活動をしてきた。過去に文部科学大臣賞、厚生労働大臣賞などを受賞している。文部科学省「子ども読書活動推進ホームページ」において、子ども読書実践団体(者)として掲載されている。
https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/dokusyo/shoukai/cont_002/001.htm

コロナ禍で活動の中断があったが、現在は活動を再開している。発表者はきらら会の会員であり、30周年と40周年の記念誌の担当としても関わった。きらら会がなぜ長く活動を続けてこられたのかを、記録等から解き明かしたい。

日本児童文学学会中部支部事務局からのお願い

*事務局より*

午前中に至学館大学にて運営委員会を開催いたします。 詳細につきましては、役員及び運営委員会の皆さまに別途ご連絡差し上げます。

*会計より*

2024 年度の支部会費2,000 円が未納の方は、納入をお願いいたします。お手数をおかけしますが、お早めに下記郵便局振込口座に、備え付けの用紙を使って振り込みをお願いいたします。休日でもATM が稼働しているときは振り込みができます。

口座番号:00550-4-52140
口座名称:日本児童文学学会中部支部
(他行からの振込みの場合は、〇五九(ゼロゴキュウ)店 当座 0052140 です。)

日本児童文学学会中部支部
〒480-1197 愛知県長久手市片平二丁目9
愛知淑徳大学福祉貢献学部
青木文美研究室気付
電話:0561-62-4111(内線2488)