日本児童文学学会
Japan Society for Children's Literature

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当学会について

学会の沿革と活動の概要

日本児童文学学会は1962年10月6日に設立されました。
設立当初は会員98名、維持会員15名、学生会員40名で出発しましたが、年を追うごとに会員が増加。
1981年11月12日には日本学術会議の「協力学術研究団体」に登録され、現在は300名を超える会員を擁し、その半数以上を女性会員が占めています。
研究発表の場としては、毎年研究大会(年1回)を開催しているほかに、全会員を対象にした研究例会を東京で年3回開催しています。
また支部活動として、北海道例会(2005年より)、中部例会(1987年より)を開催するほか、関西例会(1964年より)も開催しています。
出版事業は、学会紀要「児童文学研究」(年1回)の刊行のほか、『児童文学事典』(東京書籍)などの刊行も行いました。
また、学会設立40周年を記念して『児童文学研究の現代史―日本児童文学学会の40年』(小峰書店、2004年4月15日)も刊行しました。その他にも、「研究=日本の児童文学」叢書(全3巻 東京書籍)なども刊行するなど、出版活動にも精力的に取り組んでいます。
ほかに、会員むけに「日本児童文学学会会報」(年2回)の発行や、日本児童文学学会賞(奨励賞、特別賞を含む)を設けて児童文学・児童文化に功績のあった個人・団体を顕彰するなど、多くの活動を行っています。

学会の事業

日本児童文学学会は次の事業を行っています。

  1. 研究発表会、講演会、展覧会などの開催。
  2. 機関誌、会報、パンフレット、研究書などの刊行。
  3. 会員の研究発表の斡旋。
  4. 研究資料の収集保存。
  5. 海外における研究者との連絡・交流。
  6. 日本児童文学学会賞(奨励賞、特別賞)の選考・贈呈。
  7. その他、理事会において特に必要と認めた事項。

会長挨拶

2024年度より会長を務めることになりました、白百合女子大学の浅岡靖央です。一言ご挨拶申し上げます。
日本児童文学学会は、日本における「児童文学・児童文化の研究者団体」として、その目的を「会則」第3条において次のように定めています。

「この会は児童文学・児童文化の研究を促進し、会員相互の連絡を密にし、その研究調査の便宜をはかり、もって児童文学・児童文化の発展に資することを目的とする。」

まず、この条文に「日本」という言葉が見られないことにご注目ください。「日本児童文学学会」という名称から、いわゆる「日本児童文学」、つまり日本語によって表現された児童文学のみを扱う学会であると誤解される方も時にあるようですが、そうではありません。日本児童文学学会は、日本のみならず諸外国の児童文学をも含む、いわば「世界児童文学」を扱っています。
さらに、「児童文学・児童文化の研究」と、その研究対象として「児童文学」と「児童文化」の二つを並べています。この二つは、それぞれ具体的に何を指すのでしょうか。実は、「児童文学」や「児童文化」という用語が何を意味するのかということについては、現在まで様々な議論が続いています。それらの意味をひきつづき探究すること自体、この学会に課せられた研究課題の重要な一つでもありましょうが、ここでは、「児童文学」は「子どもを主たる受容者とする文学」であり、「児童文化」は、児童文学を除いた「子どもを主たる受容者とする文化」であるとしておきます。
具体的なジャンルで言えば、「児童文学」には、幼年童話、児童小説、ヤングアダルト小説、さらに児童向けの絵本・昔話・詩歌などが、「児童文化」には、児童演劇、児童映画(アニメーションを含む)、児童音楽、児童出版美術、児童マンガ、児童玩具、さらにこれらに関わる施設・運動・政策などが含まれると考えられます。このような各ジャンルにおける、大人の営み(創作・制作・生産・流通・媒介など)ならびに子どもの営み(受容・消費・創作など)を対象としているとも言えるでしょう。
こうしてみると、日本児童文学学会は、子どもが関わる文学・文化を対象とする研究者団体として、これまで以上に幅広く多くの方々を迎え入れることができると考えられます。
子どもの心をさまざまに動かし、時には大人の心をもつかむ、児童文学・児童文化の多彩な魅力を、それらに対する研究を通して社会に訴えていく、そのような学会にしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。